家の中で発見される「エビみたいな虫」の正体は、そのほとんどがトビムシですが、ごく稀に、他の生き物である可能性も考えられます。発生している場所や、虫の大きさ、形、動きなどをよく観察することで、より正確にその正体を突き止め、適切な対処に繋げることができます。まず、圧倒的に可能性が高い「トビムシ」の特徴を再確認しましょう。体長は一ミリから三ミリ程度と非常に小さく、白や灰色、黒っぽい色をしています。体を丸めたような形で、危険を感じるとピョンと高く跳ねるのが最大の特徴です。お風呂場やキッチン、植木鉢など、湿気の多い場所で見られます。次に、トビムシと間違われる可能性があるのが「ヨコエビ」の仲間です。ヨコエビは、その名の通りエビやカニと同じ甲殻類の仲間で、見た目はまさに小さなエビそのものです。体は平たく、横向きになって素早く動き回ります。通常は、屋外の落ち葉の下や、湿った土壌に生息していますが、家の周りがそうした環境で、地下室や半地下の部屋の湿度が非常に高い場合などに、稀に屋内に侵入してくることがあります。トビムシよりも大きく、五ミリを超えるものもいます。そして、もう一つ、細長い体型から「エビみたい」と表現されることがあるのが、「紙魚(シミ)」です。こちらはトビムシとは全く異なり、乾燥した場所を好みます。体長は一センチほどで、銀色にキラキラと光る鱗粉に覆われています。動きはクネクネと素早く、跳ねることはありません。本棚や押し入れ、段ボールの中など、紙や糊がある場所で発見されます。お風呂場で見かけることはまずありません。このように、発生場所が「湿った水回り」なのか「乾燥した収納場所」なのか、そして「跳ねる」のか「這い回る」のか、といったポイントに注目することで、その正体を見分けることができます。もし、どう見てもトビムシではない、より大きな「本物のエビ」のような虫が大量発生している場合は、床下の湿気など、建物の構造的な問題を抱えている可能性も考えられるため、専門家への相談を検討するのも良いでしょう。
トビムシだけじゃない?エビみたいな虫の見分け方