私たちの家に、いつの間にか住み着いている蜘蛛。彼らは、なぜ屋外の広い世界ではなく、あえて人間の生活空間を選んで、侵入してくるのでしょうか。その原因は、非常にシンプルです。それは、私たちの家が、彼らが生き延び、繁殖するために必要な「餌」と「快適な環境」を、豊富に提供してしまっているからです。蜘蛛が家の中に侵入してくる、最大の理由、それは「餌の存在」です。前述の通り、蜘蛛は肉食性であり、他の小さな昆虫を捕食して生きています。つまり、あなたの家に、ゴキブリや、その幼虫、ハエ、蚊、ダニ、コバエ、あるいはチャタテムシといった、彼らの餌となる害虫が豊富に生息している場合、そこは、蜘蛛にとって、餌に困ることのない、最高の狩場となってしまうのです。「蜘蛛がよく出る家は、ゴキ-ブリがいる証拠」とさえ言われるのは、このためです。蜘蛛の出現は、その背後に、より多くの、そしてより厄介な害虫の存在が隠れている可能性を示唆する、家からの危険信号と捉えるべきなのです。次に、彼らが好む「快適な環境」も、侵入を促す原因となります。蜘蛛は、種類によって好む環境は異なりますが、多くは、あまり人の動きがなく、静かで、物陰になる場所を好みます。家具の裏側や、ベッドの下、本棚の隙間、あるいは、長期間開けていないクロー-ゼットや押し入れの中、そして、あまり使われていない部屋などは、彼らにとって、巣を張ったり、隠れたりするのに、絶好の場所となります。物が多く、掃除が行き届いていない、ホコリっぽい家は、蜘蛛に安全な隠れ家を無数に提供してしまうのです。彼らは、建物のわずかな隙間や、窓の開閉時、換気扇、あるいは、外部から持ち込んだ段ボールなどに付着して、家の中へと侵入してきます。そして、上記の条件が揃った快適な場所を見つけると、そこに定住し、繁殖を始めてしまうのです。